
2016年01月30日
讃岐の食文化の概要図
最近の野菜の講座で
讃岐の食文化の概要図を書かせていただいております。
讃岐の食文化は非常に難解でその魅力を、一言で言い表すのはとても困難なのです。
あっ?(゜Д゜)
言い表すのは簡単なんですが、その理由を理解するのが難解なのです。
ということで、参加されたみなさんと共にこの図を描いて説明するのですが、
参加者によって説明する内容は微妙に異なりますので、毎回同じにはならないのですね。
要は、
四季があり
旬があり
農業があり
食材があり
食文化があり
流通がある。
まあ、それを図式化したものです。
2016年01月28日
【考察】ワケギはいつから食べられているのか?

まあ、こんな仕事をしていると、野菜についていろいろ問い合わせが入ります。
本日いただきました依頼は
「香川県におけるワケギの来歴を教えてください」
とのこと。
結構ハードルの高い御依頼です。
基本的に、香川の郷土野菜
(ここでは、伝統野菜ではなく、香川の食文化を構成する野菜と言う位置づけ)
はデータが全くなく、非常に説明が難しいのです。
でも、まあ、野菜の貴公子としては、いただいた依頼に対しては120%以上の回答をしないと気が済みませんので、頑張りました。

これはデータがありません。
高松市中央卸売市場の市場年報によると
昭和48年から「ワケギ」と言う表記が出てきています。
ただし、ワケギが日本にもたらされたのは今から1500年も昔のことなので、それはもうかなり前であることが考えられます。
で、どれくらい記録をさかのぼれるかと言うと
「聞き書 香川の食事」には、山間部、平野部、海岸部といずれの食文化にもワケギの料理が出てきますので明治末期には既に食文化として成立していたことがわかります。
で、そもそも、現在の食文化は江戸時代に成立していますので、江戸時代にはあったのだろうと考えられます。
そして、決定的な文献。
高松松平藩の書物
写生画帖「蔬菜」
を紐解きますと、ありましたありました。
「冬葱」として分葱の存在を確認出来ました。
つまり、18世紀半ばから後半にかけては、すでに文化として成立していた、って感じですね。


2 現状
これだけではもったいないので、全国の比較をしてみますと驚くべきことがわかりました。
(1)香川県にはワケギの栽培が無いことになっている!
農林水産省の『地域特産野菜生産状況調査』を見てみると
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tokusan_yasai/
香川県にはワケギの栽培が無いことになっています。
「そんなあほな!」
現在、高松市中央卸売市場に出荷されているワケギだけでも47t(H26)
最大で110t位の取り扱いがありました。
県内には、他地方卸売市場があり、また産直出荷も結構ありますので、
本気で調査すると、全国トップ3くらいには切り込めるほどの生産量があるはずです。
(2)熊本県のワケギの調査は面白い!
ワケギは基本栄養繁殖なので、品種が固定されているのですが、全国には数種類のワケギの系統は存在します。
熊本県の農業試験場では、郷土料理に合うワケギの系統はどれか!?なんて研究もされています。
香川県は、ワケギ文化がかなりあるエリアなので、
もっと研究がされてしかるべき品目なのかな、とほんまに思いました。
2016年01月25日
葉ゴボウ( ´ ▽ ` )ノ❤︎


本日は
讃岐の食文化の構成員の代表格でもある
『葉ゴボウ』
の取材。
晩冬から春にかけての讃岐の野菜の代表格とも言える
葉ゴボウですが、
昔は1月出荷もたくさんあったのです。
でも、その季節のものは硬いのでタンサン(重曹)を入れて炊かないといけないのですね。
料理が難しいので、そのころ出荷される作付けはほとんどなくなり、今は、12月刈り込みの2〜4月出荷がメインとなっています。
高松市中央卸売市場として
冬場の山(塩江町、香川町)のゴボウ
晩冬から春の葉ゴボウ
そして、5月から初夏の新ゴボウ
と、より長い期間、地場のゴボウの、店頭に並べるという戦術をとっており、その一角を担うゴボウとして
晩冬の葉ゴボウの経済栽培がふえてきたのです。
寒い時期に栽培される葉ゴボウは、虫害はないことはないのですが、
メインの可食部である軸を食べられることがほとんどありません。
しかも、気候に合っているので、基本、農薬はほとんど使わずに(作柄によっては無い場合も)栽培ができる品目なのですね。
ビヴァ!( ´ ▽ ` )ノ
葉ゴボウです。
2016年01月19日
ビジネスかがわ〜讃岐味探訪

1月21日(木)発行の
【ビジネス香川】さんに月1で連載させていただいております
『さぬき味探訪』
平成26年末から連載を始めさせていただき、
そろそろまとめのシーズンに入ってまいりました。
前回と今回は「調味料」について触れてまいりましたが、
前回は「調味料の豊かさ」について
そして今回は「調味料の旬」について
着目してみました。
讃岐の調味料の代表格でもある
「白味噌」について、
職場で泣きながら書いた、結構渾身の原稿です。
次回・次々回は
第1期最終回の意味も込めて
これまで香川県の方が誰も触れてこなかった
讃岐の食の偉大さをひも解いてみたいと思います。
2016年01月12日
【考察】EATBEAT! in 高松
本年度の高松市の観光施策の目玉
「EATBEAT! in 高松」が終了しました。
このイベント、高松市の食と言う観光資源を音と音楽で発信することを目的に企画されたイベントです。
この企画に、野菜ソムリエと市場流通に関わるものとして
「どのタイミングでその食材を使うか」
という、企画の魂のような部分に携わらせていただきました。
高松の食を日本中の情報に敏感な人に発信すると言う目的でしたが、
もしかしたら、この企画の恩恵を受けたの僕なのかもしれない。
全てが終わって、そんなことを感じています。
それでは、ここで全体の概要を振り返ってみたいと思います。
春
重要文化財である玉藻公園披雲閣にて「春の食材」をテーマに開催。
「鰆」「アスパラガス」「ソラマメ」など、高松の春を代表する食材を選定。
この回は、関係者へのプレスリリースの位置づけでもあり、
高松市長をはじめ、県内の食の関係者に企画の意図を説明したという、少し特別な回でした。


夏
場所を、女木島「ビーチアパート」に移し、夏の食材をテーマに開催。
夏の魚介類と、特に女木島の「なんきんまめ(落花生)」をフィーチャー
チケットは先着と言うこともあり、0時に受付を開始して、朝6時には瞬殺売り切れとなりました。


秋
高松市の食流通の中心地「高松市中央卸売市場」を会場に、秋の食材に注目し開催。
「秋鰆」「マンバ」「セレベス」が主要食材に。
会場ではマルシェも行い、1日に限り高松市中央卸売市場が彩られました。


冬
琴電を貸し切り、電車の中での開催。
「ワケギ」「白みそ」「マンバ」という冬から晩冬に向けての素材で構成。
特に、餡餅雑煮と言う食文化にも着目。


情報過多の時代、同じような情報発信では、結局届く範囲が決まっており、そこで情報の閉塞が起こる。
そのような情勢の中、
「高松の食」を発信するために、
「食」ではなく、「音と音楽」と言う切り口で伝えるそのような取り組みで、
これまで絶対情報が届かなかったところまで届いた、そのように感じています。
ただ、イベントだけでは一過性のもであり、
情報が飛び交うだけで、実際「食」が口元まで届くと言うわけでもありません。
また、今回全国からのフタッフが高松でのイベントに携わっていただき、
その方たちが、これまでも高松の食に携わるのは実質的には不可能です。
そのためにも、今回の企画を通じて感じたもの、知り得た知識を、地元にすむ者がどのように活かすが重要である、今まさにそのような段階に入っている、そのように感じます。
「EATBEAT! in 高松」に携わった全ての人に感謝です。
「EATBEAT! in 高松」が終了しました。
このイベント、高松市の食と言う観光資源を音と音楽で発信することを目的に企画されたイベントです。
この企画に、野菜ソムリエと市場流通に関わるものとして
「どのタイミングでその食材を使うか」
という、企画の魂のような部分に携わらせていただきました。
高松の食を日本中の情報に敏感な人に発信すると言う目的でしたが、
もしかしたら、この企画の恩恵を受けたの僕なのかもしれない。
全てが終わって、そんなことを感じています。
それでは、ここで全体の概要を振り返ってみたいと思います。

重要文化財である玉藻公園披雲閣にて「春の食材」をテーマに開催。
「鰆」「アスパラガス」「ソラマメ」など、高松の春を代表する食材を選定。
この回は、関係者へのプレスリリースの位置づけでもあり、
高松市長をはじめ、県内の食の関係者に企画の意図を説明したという、少し特別な回でした。



場所を、女木島「ビーチアパート」に移し、夏の食材をテーマに開催。
夏の魚介類と、特に女木島の「なんきんまめ(落花生)」をフィーチャー
チケットは先着と言うこともあり、0時に受付を開始して、朝6時には瞬殺売り切れとなりました。



高松市の食流通の中心地「高松市中央卸売市場」を会場に、秋の食材に注目し開催。
「秋鰆」「マンバ」「セレベス」が主要食材に。
会場ではマルシェも行い、1日に限り高松市中央卸売市場が彩られました。



琴電を貸し切り、電車の中での開催。
「ワケギ」「白みそ」「マンバ」という冬から晩冬に向けての素材で構成。
特に、餡餅雑煮と言う食文化にも着目。


情報過多の時代、同じような情報発信では、結局届く範囲が決まっており、そこで情報の閉塞が起こる。
そのような情勢の中、
「高松の食」を発信するために、
「食」ではなく、「音と音楽」と言う切り口で伝えるそのような取り組みで、
これまで絶対情報が届かなかったところまで届いた、そのように感じています。
ただ、イベントだけでは一過性のもであり、
情報が飛び交うだけで、実際「食」が口元まで届くと言うわけでもありません。
また、今回全国からのフタッフが高松でのイベントに携わっていただき、
その方たちが、これまでも高松の食に携わるのは実質的には不可能です。
そのためにも、今回の企画を通じて感じたもの、知り得た知識を、地元にすむ者がどのように活かすが重要である、今まさにそのような段階に入っている、そのように感じます。
「EATBEAT! in 高松」に携わった全ての人に感謝です。