
2013年07月21日
【巡礼レポート】五色台山岳巡礼コース
高松に来て20年
20年も住んでいるのにお遍路について全く無知なことを反省して
実際にお遍路をしてみようと言うことで
7月19日に思い立ち
7月20日に強行しました。
今回したルートは
国分寺(80番)


の山岳コース
JRで行き帰りも何とかなりますし
山の中をいくので涼しいでしょうし
ちょうど、最近の四国新聞に、山越えの遍路道保存についての記事もあったことなので、実際に体験して
何か今後のヒントになる物を得られればということで
とても不純な動機なのですが、決行をいたしました。

午前10時
JR国分寺駅をスタート
まずは 80番札所国分寺に到着しました。
お遍路とかいいながら、道具も何も準備していなかったので
とりあえず、納経帳とお経さんを購入
本来ならばいろいろ衣装も必要なのですが、恥ずかしい話そこまで想定していなかったので、今回はこれだけ。
納経して早速出発
国分寺史跡を横に見ながら、国分台を目指します。
ここで大きなミスをしたのですが、
水筒が1本しかなかったのです。
「途中で自動販売機くらいあるやろ〜!」
とかおもってほったらかしにしていたのが運のつき
1本の水筒で、白峯寺(81)まで行くはめに

とりあえず、えいや!で、引き返さずに突き進みました。
途中は、国分寺から綾川町までの風景が見渡せるとても見晴らしの素晴らしいところ。
しかも、地元の方による素晴らしい遍路道の整備がされており、実にいいハイキングコースです。
が

このルートは
「遍路転がし」とも言われる難所。
凶悪に急な山道を登って行かなくてはなりません。
それに加えて、空腹と、水の残量の警告、暑さが、我々の行く手を阻みます。
それでもまあ、なんとかかんとか、遍路転がしも登りきり
白峯寺(81)と根来寺(82)との分岐点
19丁目の打戻りに到着
ちなみに「打つ」とは巡礼するということで、打戻は逆行すること。
ちなみに、MIXも(タイガージャージャー)も「打つ」と表現し
逆うちは「バイバー、ダイバー、ファイバー、サイバー、ファイヤー、タイガー」のこと。
すいません
ここから、榊のトンネルを抜け白峯寺(81)へ
白峯寺(81)到着は正午
予想どおり到着です。

ここで納経をしてから
ご飯を頂いて、休憩をして、ちょっと昼寝もして、たんまり水分も買い込んで
午後1時
82番根来寺へ向けスタート
途中、自衛隊の演習場に隣接して遍路道があります。
これは「陸軍用地」の標石
遍路が成立したのが江戸時代
陸軍ができたのが明治時代
ということを考えると、陸軍は、遍路道をよけて用地を設定したのでしょうか?
それとも、遍路道をずらしたのでしょうか?
考えると面白いですよね。
さて、この頃から大量の蚊が我々を襲い始めます。
今回の行軍を通して、60匹以上はやっつけました。
蚊の大群に追回されながら根来寺を目指します。
遍路道から、県道にでたところに
「足尾大明神」というお社がありました。
その名の通り「足腰」の守り神ということでお遍路さんにも信仰される神社だとか。
「ちょっと休んでいきまい」とのことでしたので、休憩をしていますと
「ジュースのお接待を受けました〜」
感激。これがお接待なのですね。本当に心が暖まります。
ちなみに足尾大明神さんでは
8月4日にお祭りをされるとのことなので、ぜひお立ち寄り下さい。
この辺りでは、坂出、瀬戸大橋の風景を見ることができます。
で、なんだかんだで、根来寺(82)到着は午後3時前

香川県の学生たちの間では
「根来寺はお化けがでる」「心霊体験ができる」
とさんざんなレッテルを貼られているお寺なのですが、一度来てみるとそのイメージは一変します。
本当に、静かな山中にたたずみ、ヒグラシゼミの声が響きます。
傾斜地にあることから、みごとな石垣が積まれており、
この場所にこれだけの施設が存在することにまず持って驚きます。
納経を済ませて
お寺のいろいろな施設を見学
さあ、ここで問題です。
根来寺から、下界にどのようにしておりましょうか?
(1)来た道を返し、遍路転がしから、JR国分(国分寺)へ抜ける
(2)勝賀山の東斜面を駆け下り、JR鬼無へ抜ける
(3)遍路道の王道に則って、香西へ抜ける
どれも厳しい究極の選択です。
いろいろ考えた結果、一番風情があるであろう、(3)香西コースを選択しました。
根来寺から北東の方角へ向けて、五色台を一気に駆け下りるルートです。
いったいいつからこの遍路道が存在するのでしょうか?
山道には、根来寺で見たようなみごとな石積みがのこっています。
ただし問題は、このコースは
今まで以上に蚊が襲い来るルート
そして、あまり人通りが少ないのか、遍路道に雑草が生い茂るルート
と、もしかしたら一番過酷なルートだったのかも知れません。
何十匹というかに追回されながら
道に覆いかぶさる草をかき分けること約30分弱?
見慣れた下笠居の果樹園に到着しました。
眼前には、青い空、青い海、白い雲、瀬戸内の島々、そして、ビワ畑
と美しい下笠居の風景が目に飛び込みます。
いやあ、感激ですね。
ビューチホーです。
ここからは、果樹園や、民家の間を縫いながら、遍路道が示されており、下笠居の町をゆるゆると通り抜けます。
本来は、香西を経由してJR鬼無駅に行こうと思ったのですが、
この山岳コースを、何の準備もせずに挑んだ、二人ともの足が悲鳴を上げていたので、
そのあたりで一番近いバス停
コトデン「下笠居・香西線」の「神在口」へルートを変更。
午後4時40分発のバスに乗り込んだのでした。
チャンチャン。
今回の所要時間 約6時間半
全行程 約20km

・80番札所国分寺〜白峯寺(81)〜根来寺(82)〜下山のコースは山岳コースなので、それ相応の装備は必要
・国分寺(80)から先は白峯寺(81)まで、自販機すらないので、水分の携帯は必至
・同じく、食料も調達することは不可能なので、食料の携帯も必至
峠の茶屋が1軒ある。
・山の中はとても気持ちがいいのですが、蚊が多いので、虫除け等の防御策は必要
・公共交通機関を上手に使ったら、自動車無しでも巡礼が可能
というか、遍路を基準に、公共交通機関の駅・停留所が設定されている。
・国分寺南斜面「遍路転がし」はとりあえず難所
・根来寺(82)から香西へ抜けるコースは、以外と草が多い
・歩くと気がつくのだが、遍路道には「遍路道シール」が随所に貼られていて迷わない