
2016年01月08日
大丸心斎橋店の閉店に際して
2015年12月30日をもって
80年の歴史を持つ、大阪心斎橋の
「大丸心斎橋店」が建て替えのため閉館となりました。
「大丸心斎橋店」はアメリカ人建築家ウィリアム・メレル(W.M.)ヴォーリズが大阪に残した名建築で
1922年に竣工とのこと。
そのみごとな建築を見るため、「大丸心斎橋店」を訪問しました。

本当に息をのむような建築で、
大正末期から昭和初期の技術とデザインの粋
そして莫大な費用が投下されたことがビシビシ伝わってきます。




今回の建て替えに際して、
「ヴォーリスのデザインは継承した形での建築」との方向性は出されていますが、
このデザインはもう復元はできませんし、たとえ復元したとしても、それは模倣でしか無く、オリジナリティはありません。
一方、現代の名工の力を借りて、新たな本物を作るのも、
それはもう莫大な費用がかかるため、多分これも無理なように直感的に思われます。
希代の建築物「大丸心斎橋店」はもうこの世から姿を消そうとしており、その潮流は止められないと実感します。
今回の建て替えに関しては、
「耐震性に問題があり、老朽化著しい」という所有者の考えも分かりますし、
「このような希代の建築物を残したい」という市民の声分かります。
経済性と文化性の衝突で、
香川県でも、建築家丹下健三が手がけた県庁東館も同様の衝突を経て、
県庁は、たまたま行政が所有していたため、文化性に軍配が上がった結果となりました。
「大丸心斎橋店」は商業施設であり、経済性が優先されるため、今回の結果はしかたのないことでしょう。
市民に募金を募って保存をするといっても、集まりきらないでしょうし、
行政が買い取って保存をするアイデアもあるでしょうが、その維持を行政が延々と行うのも現実的ではありません。
本当に残念ではあるのですが、現実的な解決策にたどり着けなかったのでしょうね。
僕は、建築の専門家ではないので、今回の件に対して適切な回答を持ち合わせていませんが、
W.M.ヴォーリズの意志を継ぐ
「一粒社 ヴォーリズ建築事務所」が今回の建て替えに対して
2本の意見書を公表されているのでリンクを置いておきます。
■大丸心斎橋店本館について願うこと
http://www.vories.co.jp/press/150827statement.pdf
■都市計画都市再生特別地区の心斎橋筋一丁目地区における
大阪都市計画都市再生特別地区の変更の
都市計画案に対する意見書
http://www.vories.co.jp/press/151005statement.pdf
半永久的と思われた建築物も終わりを迎えるのですから、
食と食文化
そしてアイドル
現存する今を大事にしないといけないと思った次第です。
80年の歴史を持つ、大阪心斎橋の
「大丸心斎橋店」が建て替えのため閉館となりました。
「大丸心斎橋店」はアメリカ人建築家ウィリアム・メレル(W.M.)ヴォーリズが大阪に残した名建築で
1922年に竣工とのこと。
そのみごとな建築を見るため、「大丸心斎橋店」を訪問しました。

本当に息をのむような建築で、
大正末期から昭和初期の技術とデザインの粋
そして莫大な費用が投下されたことがビシビシ伝わってきます。




今回の建て替えに際して、
「ヴォーリスのデザインは継承した形での建築」との方向性は出されていますが、
このデザインはもう復元はできませんし、たとえ復元したとしても、それは模倣でしか無く、オリジナリティはありません。
一方、現代の名工の力を借りて、新たな本物を作るのも、
それはもう莫大な費用がかかるため、多分これも無理なように直感的に思われます。
希代の建築物「大丸心斎橋店」はもうこの世から姿を消そうとしており、その潮流は止められないと実感します。
今回の建て替えに関しては、
「耐震性に問題があり、老朽化著しい」という所有者の考えも分かりますし、
「このような希代の建築物を残したい」という市民の声分かります。
経済性と文化性の衝突で、
香川県でも、建築家丹下健三が手がけた県庁東館も同様の衝突を経て、
県庁は、たまたま行政が所有していたため、文化性に軍配が上がった結果となりました。
「大丸心斎橋店」は商業施設であり、経済性が優先されるため、今回の結果はしかたのないことでしょう。
市民に募金を募って保存をするといっても、集まりきらないでしょうし、
行政が買い取って保存をするアイデアもあるでしょうが、その維持を行政が延々と行うのも現実的ではありません。
本当に残念ではあるのですが、現実的な解決策にたどり着けなかったのでしょうね。
僕は、建築の専門家ではないので、今回の件に対して適切な回答を持ち合わせていませんが、
W.M.ヴォーリズの意志を継ぐ
「一粒社 ヴォーリズ建築事務所」が今回の建て替えに対して
2本の意見書を公表されているのでリンクを置いておきます。
■大丸心斎橋店本館について願うこと
http://www.vories.co.jp/press/150827statement.pdf
■都市計画都市再生特別地区の心斎橋筋一丁目地区における
大阪都市計画都市再生特別地区の変更の
都市計画案に対する意見書
http://www.vories.co.jp/press/151005statement.pdf
半永久的と思われた建築物も終わりを迎えるのですから、
食と食文化
そしてアイドル
現存する今を大事にしないといけないと思った次第です。