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Posted by あしたさぬき.JP at

2014年03月12日

蕪再発見! 市場トリビア~ん R 第15話

蕪再発見!
市場トリビア~ん R 第15話



12月に準備していた原稿を今更アップします。
12月に入り,高松市中央卸売市場には冬の野菜が本格的にラインナップされてまいりました。11月の低温の影響もあり,冬の野菜たちが抜群の風味を醸し始めます。

★クイズ:古来より日本人に親しまれ
「万葉集」に【あをな】として登場する野菜はなんでしょう?

★正解:「蕪(カブ)」です。


春の七草にも「すずな」という表現で現れますし
日本全国にカブの漬物が存在し,かつ地域ごとに地域のカブが存在します。
カブは本当に古来より親しまれてきた野菜です。
なのですが,カブを使い慣れていない方にとっては「カブとダイコンは全く同じもの」というような誤解をされているようですが,カブにはカブの特徴があります。

そこで今回は,カブとダイコンを比較して,違いを発見してみましょう。

1 植物形態学的に考える
 葉っぱの形を見ても,ダイコンはギザギザで,カブは丸っこい
 花は,ダイコンは白~薄紫,カブは黄色
 そもそも可食部は,ダイコンが根で,カブは杯軸(根と茎の間)
 ダイコンの可食部のほとんどは地下にあり,カブの可食部は地上にある。

2 生で食べた時の感覚
 食感:ダイコンはしゃきしゃき カブはしゃくしゃく
 味覚:ダイコンは甘い カブはジューシーで甘いけどあとで辛さがくる
味:ダイコンはレモンや柿に似ている カブはナシに似ている。

3 調理方法
 ダイコンは少々煮ても煮崩れませんが,カブはあっという間にとろけてしまいます
 ダイコンはおでんにしても歯ごたえが残りますが,カブは口の中で溶けていきます
 ダイコンは外の風味を吸収しますが,カブは内の風味を発散させます
 ダイコンは軽く皮をむくだけで大丈夫ですが,カブはしっかり(ものによっては数mm)剥かないと筋張って食べられません


形は実に似ているのですが,ここまで特徴が違う野菜ということがわかっていただけるのではないでしょうか?

カブの味覚の旬はまさに冬場,もっと限定するならば立春まで。
陽が長くなりますと皮と身の間に筋が入ります。「すが入る」とも表現するのですが,花を咲かせるためにネット状の維管束が急速に発達します。
カブが抜群の味覚を呈するこの時期に「讃岐のカブ」をご体験ください。

以上,「市場 トリビア~ん R」でした!

  


Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 09:00Comments(0)市場トリビア〜ん

2014年03月11日

市場トリビア~ん R 第22話~悲愴なまでに評価されない不遇の野菜

市場トリビア~ん R
第22話~悲愴なまでに評価されない不遇の野菜



子どもたちが嫌いな野菜と言えば「ピーマン」「ナス」などがイメージされます。
でも,一般的にもっと潜在的に評価されていない野菜があります。(たぶん)
それが
「セロリ」
です。
多分,セロリほど悲惨な評価をされている野菜はいないと思っています。
「苦い」「くさい」「エグイ」・・とかもう散々な言われ様です。

買ったとしても1本2本くらい
「セロリなんてサラダくらいにしか使えない~」とまで・・・

ということで,今回は「セロリ」について解説をしたいと思います。

1 セロリの産地はどこでしょう?

実は,香川県産は冬場のセロリの産地でもあるのです。
香川県内でも,主に観音寺で生産されています。
夏場は熱いのでセロリの収穫出荷は長野県になるのですが,冬場(12-6月)は香川県産の天下です。
しかも,高松市中央卸売市場でのセロリ取り扱いは香川県産がトップなのです。
こんな隠れた素晴らしい県産の野菜を食べずにおられましょうか?
いやない(反語 くすっ)

2 セロリってどんな姿の野菜でしょう?

店頭では1本,2本という単位で売っているため,その全容を知る人は多くないのですが,
実は,株で生育しています。
巨大な,観葉植物のようないでたちです。
実は,市場では,このサイズで取引がされているのです。
お店によっては株の状態でセロリを販売されているところもあるのですが,
実は,株で購入したいら驚くほど安いのですよね。
こんなリーズナブルな野菜を食べずにおられましょうか?
いやない(反語 くすっ)

3 最後に食べ方
セロリで大事にしたいのが「香り」です。
セロリの香りは何かに似ていませんか?
そう,コンソメです。 セロリの香りはコンソメなのです。
セロリは生で食べるイメージが強いのですが,その威力を発揮するのは加熱調理。
セロリを加熱料理に使えるようになると,料理の香り・味が格段にアップします。
カレー,オムライス,ピラフ,スープ・・・おおよそ「洋食」と名のつく料理には,セロリを入れるとプロみたいな味になります。
こんな使い勝手の良いな野菜を食べずにおられましょうか?
いやない(反語 くすっ)


セロリほどすさまじく存在感を発揮できる野菜はないくらいです。
隠れた,県産野菜の名品「セロリ」を使いこなしましてくださいませ。

以上,「市場 トリビア~ん R」でした!

  


Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 09:00Comments(0)市場トリビア〜ん

2013年11月08日

市場トリビア~ん R 第10話~「チョウセン」と呼ばれた野菜

市場トリビア~ん R
第10話~「チョウセン」と呼ばれた野菜

10月中旬まで30度を越す日が続いておりましたが,霜降を過ぎたころから,金木犀の香りもたち始め,秋が過ぎ冬に向け季節は緩やかに変化していることを五感で感じます。9月下旬に塩江町を訪れた時に,すでに金木犀の香りが漂っていました。平野部と山間部との季節の進み方は約1か月異なることが花の香りからも感じることができます。

さて
★クイズ:高松市塩江町など(主に南のエリア)で【チョウセン】と呼ばれた野菜はなんでしょう?



★正解:カボチャです。

【解説】
今回「呼ばれた」という標記をさせていただきましたが,実際にこの表現を使う方はもうほとんどいらっしゃらないのかもしれません。その他に「ぶど豆」「しゃもじ菜」「体菜」などなど,「私たちの前の世代の呼び名」と表現されるように,地域独特の野菜の呼称が消えていると感じる昨今です。


さて,「かぼちゃ」は江戸時代以前にポルトガル船で九州にもたらされ,その後全国に広まったとされています。とくに,カボチャの生育が日本の気候に合っていたこと,貯蔵性に優れた夏野菜である,栄養価が高い,長期にわたり収穫ができる,栽培管理が比較的容易であるなどなど,とても画期的な作物であったのでしょう。
・小笠原カボチャ(東京)
・打木赤皮甘栗(石川)
・鶴首(愛知・宮崎)
・鹿ケ谷(京都)
・備前黒皮(岡山)
・与論(鹿児島)
・島カボチャ(沖縄)

日本全国津々浦々に伝わり,各地に伝統野菜と言われる色も形も異なるカボチャ(和南京)が東京以西に実に多数存在し,今も栽培されています。これらは,軸が五角形で軸の付け根がぷっくり盛り上がっている「和南京(東洋種)」とカテゴライズされています。

その後,19世紀文明開化以降,「西洋カボチャ(西洋種)」が日本にもたらされ北海道を中心に普及しました。こちらは軸の付け根が丸く,少しパサッとして甘みが強い,いわゆる現在私達が主に食べているカボチャになります。

カボチャの原産地であるアメリカに目を移してみましょう。日本ではカボチャの英名は「Pumpkin(パンプキン)」と認識しています。でも,私たちが普段食べているカボチャは正式には「Squash(スクワッシュ)」と呼ばれているのです。じゃあ「Pumpkin(パンプキン)」は何?と申しますと,赤く熟れたカボチャ。つまり,ハロウィンでジャコランタン(ジャックオーランタン)を作るような赤いカボチャのことだったのですね。

近年紹介された「ズッキーニ」
生で食べられる「コリンキー」
ゆがくと麺状になる「そうめん瓜」などなどカボチャの仲間ですし,
地域に現存している「宿儺カボチャ」など伝統カボチャの復刻も近年は盛んです。

比較的最近導入された野菜にもかかわらず,ずいぶん昔から日本に存在していたかのように私たちの食生活に入り込んでいる稀有な食材です。

カボチャの奥は計り知れません。

以上,「市場 トリビア~ん R」でした!

カボチャの話はもう1話続きます  


Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 13:00Comments(0)市場トリビア〜ん

2013年11月08日

市場トリビア~ん【バックナンバー】

職場のFBにも連載している
「市場トリビア〜ん」
香川の青果物をこれまでにない切り口で紹介する、自称「人気コラム」です。
FBでは、記事の閲覧がしにくいので、こちらにまとめてアップしておきます。



帰ってきた 市場トリビア〜ん























市場トリビア〜ん







































  


Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 04:59Comments(0)市場トリビア〜ん

2013年10月11日

市場トリビア〜ん R 第10話 「おかいれ」と「伊勢音頭」

市場トリビア〜ん R
第10話 「おかいれ」と「伊勢音頭」

◆問題
稲作を大切にする讃岐は「オカイレ」という行事があります。
これは何をお祝いする行事なのでしょう?
(1)田植え始めをお祝いする
(2)田植えが終わったことをお祝いする
(3)稲刈りが終わったことをお祝いする
(4)一年間の農作業が終わったことをお祝いする

◆正解と解説
正解は(3)
田植え始めをお祝いする:サイケ
田植えが終わったことをお祝いする:サノボリ・サンバイアゲ
一年間の農作業が終わったことをお祝いする:ニワアゲ


10月はお祭りの季節
稲刈りが終わったことをお祝いする「オカイレ」というお祝いが農家では行われています(いました)。
そしてもう一つ,地域の神社を中心に開催される大きなお祭りがあります。
10月の毎土日には県内のあちこちの神社でお祭りが開催されおり,夜になると太鼓や鐘の音が地域に響き渡り,昼間は太鼓台や獅子舞などの練り歩きを見ることができます。
秋祭りには「豊作への感謝」「不作の年の厄払い」の意味合いがあり,稲作を基幹とした農耕文化の大きな節目ともいえるでしょう。

さて,讃岐の秋祭りでは「伊勢音頭」と呼ばれる音頭が多く使われています。
「伊勢音頭」とは
「♪伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ 尾張名古屋は 城で持つ」
という七七七五調からなる歌詞に音頭をつけたお囃子で
江戸時代の伊勢講に端を発し全国に「伊勢音頭」から派生した様々な祭り唄があります。

江戸時代には毎年40万人以上の人が伊勢講をしたという記録が残っております。
伊勢で覚えた「伊勢音頭」を口ずさみながら地域に戻り,

道中季節の風情や地域にまつわる伝承や唄を取り込みながら,

地域独自の節回し・歌詞が発生し,

全国各地に「伊勢音頭」から派生した音頭が定着した

ということが容易に想像できます。


その一例として
「♪おまえ百まで わしゃ九十九まで ともに白髪の 生えるまで」
という歌詞がありますが
これが「香川県観音寺市豊浜の秋祭り唄」と「大阪府泉南郡岬町の盆踊り唄」のどちらにも残っていることからも,伊勢講という人の流れで,江戸時代に全国規模での文化交流が行われてきたことがうかがい知れます。

皆様の地域では,どんな祭り唄が歌われていますか?
今年の秋は 各地で歌われている祭り唄を聞きながら,江戸時代から連綿と続く文化を感じ取っていただけると幸いです。

以上 市場トリビア〜ん R でした!ヨイヨイ!


「高松」という名称の発祥地古高松地区で歌われて伊勢音頭の歌詞を紹介します。

♪うれしめでたの 若松様よ 枝が栄えて 葉も茂る
♪こなたお庭には 鐘の木が生えて いちぶ小判が 成りしわる
♪今年豊年どし 穂に穂が咲いて 道の小草にも 米が成る
♪秋の宮島 回れば七里 七里七浦 七恵比寿
♪伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ 尾張名古屋は 城で持つ
♪こなた座敷は めでたの座敷 鶴や亀やが 舞い下がる
♪鯉の滝登り どなゆてのぼる 水がしょぼろと ゆて登る
♪さした杯 よく見てあがれ 中に鶴亀 五葉の松よ
♪桜3月 菖蒲は5月 菊は九月の 土用に咲くよ

  


Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 18:17Comments(0)市場トリビア〜ん