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2013年11月08日

市場トリビア~ん R 第10話~「チョウセン」と呼ばれた野菜

市場トリビア~ん R
第10話~「チョウセン」と呼ばれた野菜

10月中旬まで30度を越す日が続いておりましたが,霜降を過ぎたころから,金木犀の香りもたち始め,秋が過ぎ冬に向け季節は緩やかに変化していることを五感で感じます。9月下旬に塩江町を訪れた時に,すでに金木犀の香りが漂っていました。平野部と山間部との季節の進み方は約1か月異なることが花の香りからも感じることができます。

さて
★クイズ:高松市塩江町など(主に南のエリア)で【チョウセン】と呼ばれた野菜はなんでしょう?
市場トリビア~ん R 第10話~「チョウセン」と呼ばれた野菜


★正解:カボチャです。

【解説】
今回「呼ばれた」という標記をさせていただきましたが,実際にこの表現を使う方はもうほとんどいらっしゃらないのかもしれません。その他に「ぶど豆」「しゃもじ菜」「体菜」などなど,「私たちの前の世代の呼び名」と表現されるように,地域独特の野菜の呼称が消えていると感じる昨今です。


さて,「かぼちゃ」は江戸時代以前にポルトガル船で九州にもたらされ,その後全国に広まったとされています。とくに,カボチャの生育が日本の気候に合っていたこと,貯蔵性に優れた夏野菜である,栄養価が高い,長期にわたり収穫ができる,栽培管理が比較的容易であるなどなど,とても画期的な作物であったのでしょう。
・小笠原カボチャ(東京)
・打木赤皮甘栗(石川)
・鶴首(愛知・宮崎)
・鹿ケ谷(京都)
・備前黒皮(岡山)
・与論(鹿児島)
・島カボチャ(沖縄)

日本全国津々浦々に伝わり,各地に伝統野菜と言われる色も形も異なるカボチャ(和南京)が東京以西に実に多数存在し,今も栽培されています。これらは,軸が五角形で軸の付け根がぷっくり盛り上がっている「和南京(東洋種)」とカテゴライズされています。

その後,19世紀文明開化以降,「西洋カボチャ(西洋種)」が日本にもたらされ北海道を中心に普及しました。こちらは軸の付け根が丸く,少しパサッとして甘みが強い,いわゆる現在私達が主に食べているカボチャになります。

カボチャの原産地であるアメリカに目を移してみましょう。日本ではカボチャの英名は「Pumpkin(パンプキン)」と認識しています。でも,私たちが普段食べているカボチャは正式には「Squash(スクワッシュ)」と呼ばれているのです。じゃあ「Pumpkin(パンプキン)」は何?と申しますと,赤く熟れたカボチャ。つまり,ハロウィンでジャコランタン(ジャックオーランタン)を作るような赤いカボチャのことだったのですね。

近年紹介された「ズッキーニ」
生で食べられる「コリンキー」
ゆがくと麺状になる「そうめん瓜」などなどカボチャの仲間ですし,
地域に現存している「宿儺カボチャ」など伝統カボチャの復刻も近年は盛んです。

比較的最近導入された野菜にもかかわらず,ずいぶん昔から日本に存在していたかのように私たちの食生活に入り込んでいる稀有な食材です。

カボチャの奥は計り知れません。

以上,「市場 トリビア~ん R」でした!

カボチャの話はもう1話続きます



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Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 13:00│Comments(0)市場トリビア〜ん
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