2016年09月06日
ハレの食材・ケの食材 ♣料理にハレとケが存在するように、食材にもハレとケが存在します。
香川の文化の特徴は『ハレとケの存在』です。
「水一滴、米一粒」に表されるように、
日常的には倹約に倹約を重ね、使う時にはぱ〜!と使います。

有名なのは料理の『ハレとケ』の存在ですが、
実は同様に食材にも『ハレとケ』が存在します。
一例を挙げますと、
香川県におけるハレの食材の代表は
『米』であり、日常的に米を倹約する生活は現代にも残っており、
家計調査(総務省統計局)においても、高松市民の米の消費量は全国最下位レベルです。
逆に、ケの食材は麦であり、
同様に家計調査(総務省統計局)において、高松市民の麦並びに麦製品の消費量は全国最高レベルです。
(その昔は、小麦、特に小麦粉から作られるうどんはどちらかと言うとハレの食材でしたが、現代ではケの食材ですよね)
このように
米・小麦⇔裸麦
大豆⇔ソラマメ
※換金作物(ハレ)である大豆と、貯蔵食(ケ)であるソラマメ
白米⇔くず米
綺麗な白米は大事にとっておき、日常的にはくず米を使い「くず米で炊き込みご飯」という風習が残ります。
タイやサワラ⇔小魚
「漁師は、小魚は家で消費し、大物は市場に出荷する」
「サワラは春の大ご馳走」「小魚を使いこなす文化」など。
穀物⇔野菜
「今日は米を炊かずに、イモとカボチャで」という表記もありますし、
貯蔵できる穀物は大切に使い、日常的に生産される貯蔵の利かない野菜類を多用します。
などなど、表裏一体の関係性がありま、
主食であり換金作物の筆頭であった米の食い延ばしを諮ることにより、極限まで倹約をしていることがわかります。

もちろん、農業の分野においても明確にこの二つの作物は作り分けており、
自家用作物と換金作物の存在が現在にも残り、
レタスやブロッコリーなど都会の大都市に出荷して換金する野菜と、
マンバや葉ゴボウなど、香川県内の市場でしか評価されない野菜が存在します。
ほんと、『ハレとケ』が随所に見受けられます。
ハレの食材は歴史の表舞台に出てくるので、いろんな所で注目されますが、
ケの食材は日常的すぎて「そんなんあたりまえやん」と無意識下に存在するので、
指摘されて初めて意識下に現れます。
地元の人が本来ならば認知しないといけない素晴らしい分かも、
日常的すぎてその価値を見いだせないという非常に微妙な立ち位置にあります。
もちろんこれは香川に限ったことではなく『ハレとケ』は全国的に同じなのでしょうが、
香川の食文化にはまだまだ力強く息づいているのですね。
Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 19:47│Comments(0)
│野菜DE子育て
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