2016年05月11日
高松の揚げかまぼこ文化 ★ 讃岐の魚介類の利用と歴史
県外から香川県に移り住むと、その文化の特殊性に恐れおののきます。
野菜で例を挙げると、マンバ、葉ゴボウ、セレベス、ソラマメ等、
「この野菜何!?」みたいなことは頻繁です。
で、その他の食材として代表的なものは
天ぷら(統計的標記「揚げかまぼこ」、一般名称「薩摩揚げ」)です。

香川県で言うところの
長天、丸天、イカ(入り)天、タコ(入り)天、ゴボウ(入り)天などなど、
ものすごいバリエーションがあります。
愛媛の「じゃこ天」とは少し趣が異なり、
「じゃこ天」は骨の食感が残る食べ物ですが
「てんぷら(かがわ)」は滑らかな優しい味の揚げ練り物です。
県外から来られた人は、香川の人が「天ぷら」「天ぷら」と言うので
言葉のイメージと現物とのギャップに戸惑いますが、
一般的なものとは異なる「天ぷら」という商品が一つの文化圏を形成している
と理解すると、まあそれなりに納得は行くかと思われます。
揚げかまぼこのバリエーションの多さは全国的に見ても特徴的な文化です。
で、「天ぷら」=「薩摩揚げ」と分りますと
統計調査が可能となります。
お世話になるのは、毎度おなじみ
家計調査(総務省統計局)。
調査項目は「揚げかまぼこ」です。
順位 | 都市名 | 購入額/年 | 偏差値 |
1 | 鹿児島市 | 7,022 | 96 |
2 | 高松市 | 7,200 | 67 |
高松市は、鹿児島市に次いで全国第二位の揚げかまぼこ(薩摩揚げ)の消費量があります。
薩摩揚げと通称が付くくらい鹿児島での消費量はすさまじいのですが、
香川もそれに次いでいます。
おそらく漁獲量が多くて余った魚を練り物にするということが生産の始まりだと思うのですが、
瀬戸内海から香川県民で消費する以上の漁獲量があったという名残が
「揚げかまぼこ」のデータから見て取ることができます。
せっかくなので、
歴史的な背景を見てみたいと思いますが
参考としたのは、明善短期大学で教鞭をとられておりました
秋山照子先生の著書「近世から近代における儀礼と供応食の構造」。

讃岐の食文化を、「庄屋文書」から読み解いている物凄い書籍です。
で、
これによりますと、
讃岐の練り物文化は明和年間の文献までさかのぼることができ(1766~1779年)、
「かまぼこ、ちくわ、はんぺん」なんかが出てきているようです。
でもこの頃はまだ上流階級の食べ物で、
明治時代になって庄屋さんなどに普及していったそうです。
そして、
明治時代には揚げかまぼこなど庶民の食べ物としても普及していきました。
今でこそ材料である魚のすり身は県外の物を使うことができますが、
当時は練り物文化が成立するほど大量の魚が水揚げされていたことを慮ることができますね。
Posted by ゆうみんのいい奈良漬け at 07:00│Comments(0)
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